メガネコードバン、入荷いたしました!
まだ数量や色展開はかなり限定的ですが、評判を見ながら在庫追加を検討したいと思いますので、是非皆様のご意見お待ちしております。
さて、コードバンは知っていてもメガネはあまり馴染みのない方も多いと思いますので、ここで簡単にご説明させていただきます。
シェルコードバン層は馬の片尻にひとつずつ存在していますので、通常馬1頭から2つのコードバンが採取できます。
(ただ、必ず馬1頭から2枚のコードバンを得られるわけではありません。その辺りについては、シェルコードバンとは?をご参照ください)
通常、コードバンとして生産する際には、半裁にして片尻ずつ処理される場合がほとんどです。
これを半裁にせずに、”両尻”のまま革として仕上げたものをその形から「メガネ」と呼びます。
黒色だと、メガネというよりサングラス…
メガネにする一番のメリットは、 何といってもその大きさです。
両尻サイズですので、接ぎを入れずにベルトを1本取りで製作することが可能です。
では、メガネのデメリットとは何でしょう?
注意が必要なのは、片尻ずつにあるふたつのシェルコードバン層がつながっている個体はほぼ皆無だということです。
ということは、メガネの形で革を作ると、中央部分に必ずコードバン層ではない部分が入ってきてしまいます。
この部分は「ザラ」とも呼ばれ、コードバン層と比較すると滑らかさが劣り、見た目や触感で違いがわかります。
ベルトを1本取りする場合でも、中央部分にはこのザラが必ず含まれることになります。
逆に言えば、ベルトなどの大きなものを作らない限りは、メガネを使う必要はありません。
小さな製品しか作らないのにメガネを使ってしまうと、場合によってはコードバン層ではなく全てザラ部分で作られた製品ができてしまう恐れがあります。
このザラ部分は、馬のお尻側ほど細く、背中側に近づくにつれて扇のように広くなっています。
馬によって2つのシェルコードバンが近い(ザラが少ない)ものから、離れている(ザラが多い)ものまで、個体差が大きいのも特徴です。
弊社では、メガネの場合は半裁シェルとは別のセレクションをしています。
半裁シェルとは異なり、メガネでは大きさ(デシ)による加点はありません。
その代わり、1100 x 35 mm の紙が何枚入るか(ベルトが何本取れるか)によって加点をしています。
1100 x 35 mm の紙を敷き詰めてから、残りのスペースにA4など他の紙がどれだけ収まるかを見極め、それも加点します。
どれだけ効率よくベルトを取れたとしても、コードバンの形状的に必ずお尻部分の革が余りますので、ベルトと併せて革小物を生産するとロスを極力減らすことができます。
コードバンの中でも特に流通量の少ないメガネコードバン、この機会にぜひお試しください!