ポレット社について

イタリア・ベネチア近郊のポレット社 

 

Poletto(ポレット)社は、イタリア北部ベネチア近郊のアルツィニャーノ地方に位置するタンナーです。

1993年創業当初より、家具、バッグ、履物、航空機用等の用途に向けて革を開発してきました。

原皮のセレクションから最終の仕上げまで一貫して管理しており、生き物という特性上どうしてもバラつきが出てしまう革を、安定的に供給ができるよう常に務めています。

近年では在庫商品に力を入れており、1,000色以上を常備在庫し、受注からの素早いデリバリーを実現しています。

様々な商品や色が在庫されているポレット社の倉庫

 

ダブルフェイスレザー

数多くの商品を展開しているポレット社ですが、床面に特殊な顔料を塗布するダブルフェイス(リバーシブル)仕上げの技術では特許を取得しており、在庫商品のどれでもダブルフェイス加工を施すことが可能です。

同社の主力商品のひとつである、牛革にシュリンク調の型押をした「トレロ」にダブルフェイス加工を施したものが、「トレロダブル」です。

トレロやトレロダブルができあがる工程としては、まず、染め上がった革をスプレーマシンに通します。

このスプレーマシンは全長60mあり、その中をベルトコンベアに乗った革を通過させて何度も塗料を吹き付けます。

薄い塗料を何重にも重ね塗りすることにより、自然な革の風合いを保ちつつ均一に仕上げることが可能です。

このスプレーマシンを通った革に型押を施すと、「トレロ」が完成します。

さらにそのトレロにダブルフェイス加工を施すために、今度は床面を上にして同じスプレーマシンに通します。

銀面と同じ塗料に特殊な薬品を混ぜて吹き付けをすることにより、床面もしっかりカバーされます。

また、床面に吹き付けをする場合、特に注意をしなければならないのは銀面への汚れの付着です。

汚れの付着を防ぐためにはスプレーマシンとベルトコンベアを一旦完全に綺麗にしなければならないのですが、これもポレット社独自の技術で短時間で清掃を行うことができ、スムーズなダブルフェイス加工を可能にしています。

最後に床面に銀面と同じ型押をして、床面も銀面も同じように使える「トレロダブル」が完成します。

 

トレロダブルと、トレロダブルで作られた製品

 

通常ダブルフェイスレザーというと、2枚の革を使って床面同士を貼り合わせる手法が一般的ですが、どうしても革に張りと重みが出てしまいます。

その点、ポレット社のダブルフェイスはあくまで1枚革のままですので、革のしなやかさと軽さを活かしたまま、裏地なしの製品を仕上げることが可能です。

 ダブルフェイス加工を施した床面は強度もあるため、小さな革小物から大きなトートバッグまで、思いのままのモノづくりにご活用いただけます。